特色ある教育

誘導の教育実践

本校の教育実践の基底に据えているのは「誘導」の教育であり、本校の教育理念でもあります。「誘導」の教育は、昭和21年の研究発表会で提案されました。その翌年に福岡第二師範学校附属小学校編『新教育誘導論』が出版され、「新教育」の在り方を全国に提唱することとなりました。当時の校長、藤吉利男教授(後に福岡教育大学学長)の理論に基づく呼称です。その著によると、「誘導」の教育について次のように記されています。
「教師は未成熟者・未完成者としての児童を教育してやる、指導してやるというような立場に立つのではなく、児童が児童なりに関係している様々な現実生活の中で、将来立派な成熟者としての位置と秩序と意義とを得させるようなものとして作用するものでなくてはならぬのである。我々はかかる教育作用を『誘導』と名づける。」
このように、「誘導」の教育は、
  1. 子どもの生活との関わりを大切にする教育
  2. 子どもが自ら学ぶための内発的な意欲を大切にする教育
  3. 子どもに対する間接的な適応刺激を大切にする教育
と3点にまとめることができます。「誘導」の教育が提唱され70数年経った今日においても、その理念は本校の教育実践の基底に脈々と息づいています。

小中連携推進プラン

本校では、これまでの小中連携体制をさらに強化し、9か年を見通した教育の推進を図っています。連携を推進する柱として、各校務分掌、各教科の研究、各行事の3つを据え、小中の教職員、児童・生徒それぞれが取組を進めています。小・中学校両校の歴史と伝統を継承しつつ、小倉地区附属学校としての教育を創造することを基本方針として掲げています。取組のねらいは、以下の3点です。
  • 中1ギャップ解消と小学校から中学校への円滑な接続を目指す。
  • 9か年の段階的育成による教育効果の向上を図る。
  • 地域のモデル校としての先導的な教育実践を示す。

道徳教育の改善・充実

平成28年度より令和元年度まで、文部科学省から「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の委託を受け、「特別の教科 道徳」の授業づくりについて研究を進めてきました。「道徳的価値を自分事として考え、よりよい生き方を求め続ける道徳科学習誘導」と研究主題を設定し、「問題意識を高める導入の工夫」「多面的・多角的な学び合いを核とした展開の工夫」「自己評価を生かした終末の工夫」の三つの着眼を基に研究を深めてきました。
研究発表会当日配布した研究紀要については、後日、多くの問い合わせがあり、公立校の校内研修に活用いただいています。